お産の進み方
分娩所要時間
分娩所要時間とは、お産にかかる時間のことです。こちらはイメージと思って見てください。
分娩開始~子宮口10㎝開大まで | ~児誕生 | ~胎盤が出る | 合計 | |
初産婦 | 10~12時間 | 1~2時間 | 15~30分 | 11~15時間 |
経産婦 | 5~6時間 | 30~1時間 | 10~20分 | 6~8時間 |
子宮口
子宮口がゆっくり開いていき、赤ちゃんもゆっくり降りてきます。そのため初めの数時間は、医師に内診の結果を聞いても、ほとんど数時間前と変わっていないということが当たり前です。
※分娩開始とは1時間に6回以上(約10分間隔の陣痛)になった時を言います。
なぜこのように前半部分に時間が長くかかるとかと言うと、1つは子宮口がゆっくり柔らかくなって開いていくためです。
人間は2足歩行であるため、子宮口がしっかり閉じていないと重力によって早産になってしまいます。そのためこの頑丈に閉じていた子宮口を開くのに時間がかかってしまいます。
もう一つは赤ちゃんが狭い骨盤の中を通ってこなければいけないためです。
胎児回旋
胎児回旋といって、赤ちゃんは骨盤の中をくるくる上手に回って生まれてきます。
ほとんどの赤ちゃんはお腹の中で、右か左を向いています。この姿勢から骨盤を上手にすり抜けるために、あごを引いて、母体の背中側を向いて降りてきます。
こうして母体の背中側を向きながら頭が外に出たあとに、また横を向いて身体を外に出します。
陣痛
陣痛にはこのような流れがあります。陣痛発作は子宮収縮がある時で、間欠は子宮収縮がない時です。陣痛周期、陣痛間隔などと言う場合には「陣痛発作の始まりから次の始まりまで」を測る場合が多いです。ピークからピークでも良いですが、わかりにくいかと思います。
「10分間隔になったら来てくださいね」と言われたら、陣痛発作が来た時~収まって~次の陣痛発作が来た時までの時間が10分と言うことになります。
陣痛発作と陣痛間欠はどのくらいの間隔でやってくるのでしょうか?
子宮口 | 4~6㎝ | 7~8㎝ | 9㎝~誕生 |
陣痛周期(平均) | 3分 | 2分半 | 2分 |
持続時間(平均) | 70秒 | 70秒 | 60秒 |
こちらはイメージとしてとらえてくださいね。平均ですので、個人差はあります。
陣痛発作時間は始まったころも、生まれる頃もあまり変化はありません。陣痛の強さは強くなっていきます。
陣痛間欠の時間は徐々に短くなっていきます。これは子宮口が4㎝程度まで開いてからの目安です。初産婦さんですと10時間後くらいからのイメージです。それまでの間は陣痛周期は10分弱くらいで陣痛持続時間も1分も続かないような間隔で陣痛が起こることになるかと思います。
陣痛間隔が狭まってくると、余裕がなくなってきますので、痛みを逃しながらリラックスするための呼吸法が大事になってきます。呼吸法はこちらに載せています。
お産が進まない原因
お産が進まない原因は上記の経過がうまくいかないことにより起こります。
子宮口が開かない=軟産道強靭
赤ちゃんが下に降りてこれない=回旋異常、巨大児、児頭骨盤不均衡など
陣痛が規則的に来ない=微弱陣痛
このようなことが原因の一部としてあげられます。