一般的な高血圧の仕組みと予防
高血圧の仕組み
そもそも、血圧とは、血管の壁を血液が押す力です。
ナトリウムをで血圧が上がる理由
私たちがナトリウムを多くとることによって、血液の中にもナトリウムが多い状況になります。ナトリウム濃度を一定に保つために、血液の中に水分を入れ込むような仕組みになっています。
例えば、私たちが塩分をたくさん取ってしまった場合には、血管中のナトリウムも増えてしまいます。そうすると、水分もたくさん血管に入り込んでナトリウム濃度を下げようとします。
血管の中の血液量が増えてしまい、これを心臓の力で押し流そうとしますから、より強い力で血管の壁を押す状態になります。
これによって血圧が上がってしまいます。
こうして負担がかかった血管は強い圧に負けないように、より厚く硬く細くなっていきます。弾力性が失われて、傷つきやすくなってしまいます。
ナトリウムも必要!ナトリウムにも血圧を調整する役割があるため、低ナトリウムもまた血圧が正常に保てなくなってしまいます。添加物ではなく、良い塩分を摂りましょう。
マグネシウム不足で血圧が上がる仕組み
血管もたくさんの細胞でできています。ナトリウムは血管の細胞にも溜まります。それを追い出すのがカルシウムの役割です。
しかし、カルシウムの働きが増えすぎると血管が硬くなり、血管が縮まってしまいます。血管が細くなってしまうため、血管を押す力が強まり、血圧が上がります。
カルシウムの量を調整してくれるのは、マグネシウムの役割です。
増えてしまったカルシウムを細胞の外に連れ出したり、副交感神経の働きを強めるため、血管が広がり血圧を下げてくれます。
カルシウムばかり意識して、カルシウム過多、マグネシウム不足の状態になっていると、血圧が高くなりやすい状況になってしまっています。
現代人はカルシウムもマグネシウムも不足していますので、カルシウムとマグネシウムを意識して摂取することが必要です。
あぶらで血圧が上がる仕組み
人の体の中でサラサラになる油とドロドロになる油があります。
上記のような傷つきやすくなった血管に、あぶらが溜まることで、血管がますます細くなり、血液の流れが悪くなってしまいます。(=動脈硬化)
例えば、動物性の脂(牛脂など脂身の多い肉やバターなど)やパーム油などは、人間の体温より低い温度で個体になってしまいます。つまり、私たちの体の中ではドロドロになってしまいます。
また、オメガ6系脂肪酸には、体内の炎症を促進するだけではなく、血液を凝固させる働きや、細胞膜を硬くする働きがあります。
摂り過ぎると、血液はドロドロになりますし、血管の細胞も硬くなってしまうことに繋がります。
現代人はこのオメガ6系脂肪酸を摂り過ぎていることが問題になっています。オメガ6系脂肪酸はオメガ3系脂肪酸との割合が重要です。オメガ3:オメガ6は1:2~4が理想的な比率ですが、現代人は1:10、さらには1:50にもなると言われているのです。
オメガ6が多いあぶらは、ベニバナ油、コーン油、大豆油、ゴマ油などがあります。これを減らすことで、炎症を抑えることが出来ます。
ナトリウムを多くとった日には…
カリウムで血圧を下げる
カリウムは血液中のナトリウムを尿中に排泄させて、血圧を下げる効果があります。
カリウムは色野菜、根菜類、海藻類、豆類、キノコ類、果物に多く含まれます。これらを摂取するように意識してください。
カリウムは水溶性で、煮たりゆでたりすると水に溶け出してしまいますので、煮汁まで摂取するようにしましょう。
水分摂取
水分を十分に摂ることも重要です。
人の体はほとんどが水分でできていることはご存知でしょう。約60%が水分でできている私たちの体は、たった2%水分が減少するだけで喉の渇きを感じます。更には、わずか6%の減少で脱水症状になってしまうほど水分は重要なのです。
新鮮な水分を絶えず摂ることによって、体の中の水分が入れ替わりデトックスされます。
妊娠中は血液量も増えますし、産後は母乳の分泌にも影響を与えます。1日に2~2.5ℓの水分を摂ってください。
一気に大量に水を飲んでも尿として排泄されてしまいますし、腎臓への負担にもなるため、「ちびちび飲む」ようにしましょう!
1時間おきにコップ一杯飲んだり、起きた時、寝る前などタイミングを決めて飲んだりと、ちびちびの実ができるように工夫してみてください。
妊娠中は動物性の脂肪や脂っこい料理を控えて、オメガ3系脂肪酸を多く摂りましょう。