骨粗鬆症は高齢者だけにおこる病気ではありません!
妊娠中と授乳期間中にはカルシウムを赤ちゃんに与えるため、母体のカルシウムが不足します。
これにより、母体の骨密度が低下(骨がもろくなった状態)してしまいます。この弱っている状況の時には簡単に骨折をしたり、ひびが入ってしまったりしてしまいます。
通常は授乳が終了し整理が再開した後は、徐々に骨密度も回復していきます。
なぜカルシウムが不足する?
赤ちゃんは成長にカルシウムが不可欠です。そのカルシウムは妊娠中には胎盤を通して受け取り、生まれた後には母乳やミルクから摂取します。
胎児は母体から、約30000mg(=30g)のカルシウムを貰って生まれます。
※妊娠11週頃には背骨や歯のもとがつくられ始めるため、初期からカルシウムが必要です!
生まれてから赤ちゃんは母乳から、毎日約210mgのカルシウムを貰っています。
したがって、妊娠中~産後にカルシウムが不足しやすい状況になってしまうのです。
カルシウムの1日の摂取推奨量
カルシウムの1日摂取推奨量は、妊娠中、授乳中ともに650mgです。
しかし、令和元年の非妊娠女性20~29歳の1日のカルシウム摂取の平均は408mgです。
もしも、妊娠前と変わらない食事の場合カルシウムが不足してしまっているかもしれません。
カルシウムを意識して摂るようにしましょう。
カルシウム補充例
牛乳をコップ一杯200ml摂取すれば220mgのカルシウムが含まれているため、不足分が補えます。
牛乳は、上記のようなパスチャリゼーションでノンホモジナイズの牛乳がおすすめです。パラチャイズ牛乳(超高温殺菌された牛乳)は一部のカルシウムが吸収されやすい形から吸収されにくい形に変わると言われています。
また、カルシウムはマグネシウムと兄弟ミネラルと言われています。
牛乳にはマグネシウムが不足しており、マグネシウムを意識せずに牛乳を飲み続けた際には、マグネシウム不足になってしまいます。
牛乳を摂取する場合には必ずマグネシウムも意識して摂取することをお勧めします。
妊娠中は胎児の成長発達を促すために、牛乳によって簡単にカルシウムを摂取することをお勧めしますが、非妊娠時には牛乳を多くとることには残念ながらあまりメリットがありません。
カルシウム含有食品
骨ごと食べれる小魚、水菜、モロヘイヤや小松菜などの野菜、豆腐などの豆類、そしてヨーグルトや牛乳があります。
これらのカルシウムの吸収率は、乳製品、小魚、野菜の順と言われていますので、乳製品はお勧めです。
ヨーグルトは牛乳と同等のカルシウムが含まれるうえ、発酵食品で腸内環境を整える役割も果たしてくれますので、一石二鳥でお勧めです。腸内環境が整えられることは胎児がアレルギー発症予防にも効果があるといわれています。
もしくは、マグネシウムとカルシウムが理想比率で含まれたサプリメントがあります。
サプリメントを選ぶ際にも、カルシウム単体のサプリメントはマグネシウム不足に繋がりますので避けましょう。
※1「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
※2令和元年の国民健康・栄養調査報告
逆に言えば、妊娠中は牛乳のデメリットよりもカルシウムをしっかり摂ることの方が私は重要と考えます。もちろん、飲み過ぎはよくありませんよ。