ホモジナイズとノンホモジナイズ
ホモジナイズとは牛乳の脂肪中の脂肪球を細かく砕いて均等にした処理を行ったものです。ホモジナイズは、超高温殺菌を上手くいかせるためにほとんどの牛乳に行われます。
この過程を行っていないのが、ノンホモジナイズ牛乳です。
したがって、ノンホモジナイズ牛乳はおいておくと上部に脂肪分が浮き、クチームラインと呼ばれる天然の生クリーム層ができます。
ホモジナイズ牛乳のデメリット
ホモジナイズ牛乳は脂肪球が細かく均等化されていることによって、消化吸収が促進されます。一方で、急速に体内に取り込まれてしまうため、お腹を下したりアレルギーの原因になってしまいます。
牛乳を飲んでお腹の調子が悪くなってしまう方は、ノンホモジナイズ牛乳であれば吸収がゆっくりになるため症状が見られない可能性があります。
ノンホモでアレルギーに?
しかし、一部の方では、ノンホモジナイズの低温殺菌牛乳によってアレルギーが出る場合があります。
この原因はおそらく、もともとは牛乳のたんぱく質にアレルギー反応を示す体質であるが、超高温殺菌牛乳の場合にはそのたんぱく質が変形してしまっているためアレルギー反応がでないという状況になっていると考えられます。
したがって、低温殺菌牛乳ではたんぱく質が変形することはありませんので、アレルギー反応を示すたんぱく質が残ってしまっているからでしょう。
体調に合わない際にはおやめください。しかし、妊娠期にはカルシウムを多く含む乳製品を摂取するメリットがありますので、体に合った乳製品を摂取することをお勧めします。
牛のつなぎ飼いとは?
つなぎ飼いとは、チェーンなどでつながれて飼養される飼い方です。乳牛はつながれた場所から動けません。
日本は土地も狭いため、約9割(7割と言われることもある)がつなぎ飼いで飼養されています。
メリット
つなぎ飼いにもメリットがあります。牛を清潔に保つことが腰家あるということです。また、一頭の牛に与える餌の量を調整することができ、弱い牛が餌を充分に食べられないという状況には至りません。一般的につなぎ飼いでは乳をでやすくするための配合飼料が与えられます。
しかし、デメリットもあります。
つなぎ飼いのデメリット
一つ目は、いわゆる「密」な状態であることです。
コロナ禍で散々聞いた言葉ですので、どうなるかは想像できるでしょう。一部の牛が病気になれば、容易に病気が広がりやすい状況です。
例えば、これを防ぐために大量の抗生剤が投与されているのです。
つなぎ飼いは放牧と比較して乳牛が乳腺炎になりやすく、受胎能力も低いということが研究でも明らかになっています。※1
受胎能力が低くなってしまって子どもを産まなければ、いくら乳牛でも乳が出なくなります。
乳が出なくなっては困りますので、次の出産させるためにホルモン剤を利用して排卵を誘発させて、人工授精にて妊娠するように調整されます。そうして乳牛としての役割を続けるのです。
二つ目として、自由に歩くことが出来ないため、足は弱ってしまっています。跛行(はこう;歩行以上のことで、正常な歩行ができない状態)という病気は、自由に歩き回ることが出来ずに運動ができずにいることで筋肉が衰えてしまいこの病気になってしまいます。
また、つなぎ飼いではコンクリートの上に薄いマットを敷いただけの場所に24時間いなければいけない乳牛が多く、足の関節には炎症が起きやすくなっています。
このように、つなぎ飼いの乳牛は病に侵されやすいのです。
健康な牛の乳を
放牧で飼養されている乳牛の乳は、低温殺菌処理でノンホモジナイズ牛乳として販売されています。
スーパーで売られているモノよりは値段が高くなりますが、病気がちで薬漬けの乳牛の乳を飲むよりは健康に良さそうですね。