味噌を食べても血圧は上がらず、乳がんの予防にもなる⁉

味噌

味噌とは、主原料の大豆を蒸すか煮るかをした後に、麹と食塩を加えて、数か月発酵、熟成させた調味料のことです。

味噌の種類

種類原料
米味噌大豆、米、塩
麦味噌大豆、麦、塩
豆味噌大豆、塩

全国で一般的なものは米味噌です。甘口や辛口、白や赤などのものもあり、地域によってさまざまな種類があります。

麦味噌は九州で作られるもの、大豆味噌は東海地域で作られるものが代表的です。

このように日本各地で土地に合ったさまざまな種類の味噌が作られています。

味噌には麹菌などの微生物が関わっており、植物性の発酵食品として有名です。それぞれ、米麹、麦麹、豆麹によってつくられます。

味噌の効果

「味噌は医者いらず」と言われ、健康的であることが昔から知られています

和食には欠かせない味噌ですが、高血圧予防のために取らないようにしている方がいるかもしれません。もしかしたら、医療者にそういわれた方もいるかもしれませんが、いくつかの研究を紹介します。

血圧はむしろ下がる

1杯16gの味噌を用いた味噌汁を1日に2杯ずつ3か月飲んでもらう実験において、血圧をあげることはなかった。つまり、1日に32gまでの味噌摂取は血圧を上げることはないという結論が出ています※1

さらには、味噌汁を1日に2杯飲んでもらう同様の実験では、味噌汁を飲んだ群ではそうでない群と比べて、日中の血圧には差がないだけではなく、夜の血圧が低下する※2という結果が出ました。

味噌汁を1日に2杯飲むことで血圧が上がることはなく、むしろ血圧が下がるという結果には驚くのではないでしょうか。

味噌汁で本当に血圧が上がるなら、日本人は大昔から高血圧大国ですよね。味噌汁は大きな誤解をされているようです。

乳がんも減少

さらにさらに!!国立がん研究センターがん予防・検診研究センターの研究によりますと、味噌汁を1日3杯のむ人は乳がんになる確率が40%減少する※3ことが分かっています。

※3参照に作成

味噌汁にはほかにも胃がん・肝臓がん・大腸がんの抑制、脳卒中の抑制、放射線防御作用などの報告もあります。

妊娠期においては、妊娠中の味噌汁の摂取が多いと、少ない群と比較して子どもが1歳の時の睡眠不足が少ないことも分かっています※4

このように多くのメリットが分かっています。

味噌汁には発酵食品としてのメリットもあります。習慣的に味噌汁を摂取するようにしていきましょう。

味噌汁にはイソフラボンも含まれて女性ホルモンも整いますし、いろんな野菜や海藻、豆腐を具材としていろいろな栄養素が一緒にとれますしね!私は豚汁が好き。

味噌を選ぶ際の注意

味噌の原材料は、先ほども記載した通り、「大豆、(米、麦)、塩」です。出汁入りなどの味噌には、アミノ酸や○○エキス・粉末、グルタミン酸ナトリウムが入っています。

本来これらの添加物は本来不要です。出汁は別で無添加の出汁を活用すると良いです。

様々な添加物が入ることによって、味噌本来のメリットが薄れてしまう可能性もありますので、本物の味噌を選びましょう。

妊娠中は昆布だしはヨウ素の過剰摂取になるため避けましょう。

空気穴があるもの

味噌の麹菌が生きていますので、容器に入れられた後も麴菌は発酵を続けていて、二酸化炭素が発生してしまいます。

この二酸化炭素が発生して容器が膨張しないように、空気穴があけられています。つまり、穴が開いているものは、麴菌が生きている本物の味噌であることが分かります。

そうでないものは、加熱処理によって発酵が止められているため、空気穴が必要ないのです。

スーパーでも、空気穴の開いている無添加の味噌は売っていますので、探してみてください!

こちらの味噌はスーパーでも売っている空気穴もあって、無添加の味噌です。

さらに言えば、ステンレスなどではなく、木樽で作られた味噌が良いですが、探すのが大変です。

こちらのマルカワみそは、無農薬、有機にこだわっているうえに、木樽で長期熟成のこだわり味噌でお勧めです。

我が家には昔、味噌蔵があって木樽で自宅の分だけ味噌を作っていました。

東日本大震災で潰れてしまいましたし、私は何の関与もしていないので味噌作りについて何もわからないのですが…笑 手作りしてみたいですね!

※1:北川学ら(2016),長期味噌摂取が血圧および代謝に与える影響, 薬理と治療 44巻11号 P.1601-1612
※2:Kondo H, Sakuyama Tomari H, Yamakawa S, Kitagawa M, Yamada M, Itou S, Yamamoto T, Uehara Y. Long-term intake of miso soup decreases nighttime blood pressure in subjects with high-normal blood pressure or stage I hypertension. Hypertens Res. 2019 Nov;42(11):1757-1767. 

※3:Yamamoto S, Sobue T, Kobayashi M, Sasaki S, Tsugane S; Japan Public Health Center-Based Prospective Study on Cancer Cardiovascular Diseases Group. Soy, isoflavones, and breast cancer risk in Japan. J Natl Cancer Inst. 2003 Jun 18;95(12):906-13. 
※4:https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0222792