首都圏に住む有職女性の低体温
「腸活プロジェクト」によって、首都圏に住む20~40代の有職女性の体温についての調査が行われました。
働く日本人女性の3人に1人が36度未満、いわゆる低体温で、特に20代に多いことが明らかになりました。
低体温の原因
運動不足による筋肉の減少
人の体の中では筋肉です。女性は男性と比較して筋肉量が少ないためもともと冷えやすい身体です。
さらに運動量が減ってしまっている場合には低体温になりやすい身体になってしまっています。
低体温の原因の9割は筋肉量の低下※2と言われていますので、低体温を改善するためには、運動量を増やしましょう。
食べ物を冷やす食品
食べ物には身体を温める食品と冷やす食品があります。
- 小麦製品
- 牛乳
- 白砂糖
- 人工甘味料
- ジュース、麦茶
- 夏野菜
などが身体を冷やすとされています。
夏野菜は、暑い夏に身体を適度に冷ましてくれるため夏に食べるのには最適です。
しかし、現在は季節にかまわずスーパーに並んでおり、いつでも買うことが出来てしまいます。冬やエアコンの効いた室内にばかりいる生活の中で、このような冷やす食品を多く食べることは冷えの原因になってしまいます。
旬の野菜には、その時期に食べるメリットがあります。
その他に身体を温める作用があるのは、「塩」です。塩は血圧を高くする悪者のように思われがちですが、良質な塩はむしろ血圧を調整してくれたり、体に必要なミネラルなのです。
梅干し、醤油、味噌、漬物など塩分の多い食品を適度に摂ることも重要です。
ストレス
ストレスによって自律神経が乱れてしまいます。
自律神経とは、私たちの身体で無意識に動く部分を調整してくれているものです。例えば、息を吸ったり吐いたり、食べ物の消化や瞳孔を開くなどを自律神経が司って調整しています。
交感神経は活動時や緊張時に働くものです。
例えば、人前で発表をしたり緊張を要する事柄の時に、心臓がドキドキしてしまったり、お腹を下したりしてしまう人もいます。
これは交感神経が有意になっている状態であることを表しています。
交感神経が優位だと下記のようなことが身体でおきます。
- 心拍数が上昇
- 血糖値上昇
- 瞳孔が開く
- 消化の抑制
- 血管の収縮
- 感覚麻痺
- 思考力や集中力のアップ
- 覚醒
逆に副交感神経が優位な時には、これらの逆のことが起き、消化が促されたり血管が拡張したりしますします。
現代社会はストレス社会ともいわれており、ストレスを感じている人たちが多いのではないでしょうか。ストレスが持続的で交感神経に過剰な刺激が与えられていると、上記の効果が続くことになってしまいます。
その結果、血管の収縮から抹消の血液循環が不良になり、冷えや高血圧に繋がってしまいます。その他にも、胃潰瘍、消化不良、便秘などの消化器症状が出たり、不眠などの睡眠障害にもつながります。
さらに、ストレス時に分泌されるコルチゾールと呼ばれるストレスホルモンには、免疫力を低下させる作用があるため、免疫力の低下につながります。
元々の人間のストレスとは現在のようなストレスとは違い、命に直結するようなストレス(獣や敵に襲われるなど)であったため、免疫力に使うエネルギーさえも抑えて、急いで逃げたり闘うことにエネルギーを使う必要があったからです。
ストレスは冷えの原因や免疫力に繋がってしまうため、ストレスを解消し、リラックスできるような工夫が必要です
冷え予防
日常的にできる冷え予防について紹介します。
最適な食べ物
松生恒夫先生によると、
20代の女性を被験者に、
❶具のない温かいコンソメスープと、
❷豆や雑穀、野菜が入った温かい「具だくさんスープ」
を飲んだあとの、体の温度変化をサーモグラフィー(物体の熱分布を図として表し分析する装置)でそれぞれ測定したのです。
その結果、①具のないコンソメスープでは、食後30分で温度のピークを迎え、その後はしだいに下がっていきました。
一方、②具だくさんスープは、食後120分経っても上半身全体の温度が上がり続けたのです。末端の手の温度も、食後120分で最も高くなりました。つまり、ただ温かい飲み物を飲むよりも、食物繊維たっぷりの具材もしっかり食べるほうが、胃腸のみならず体全体を、長時間にわたって温めるということがわかったのです。
引用:https://ca-pore.com/_ct/17369195
身体を冷やす食品であっても、熱を加えた料理にしたり、塩分を加えることによって体を温める食品に変えることが出来ます。
起床後の白湯など、暖かい飲み物だけではなく、具だくさんスープ試してみてください。白湯の飲み方は下記の記事を参照してください。
運動
1日動かないことによって0.5%もの筋肉が失われる※2と言われています。
特に下半身には大きな筋肉があり、人の筋肉の7割が集まっていますので、歩くことはとても良い運動になります。
また、妊娠中の適度な運動は早産予防にもつながります。
身体を冷やさず温める
冷房の温度は低すぎないようにしましょう。冷房が効いているところでは何か羽織ったり、靴下やレッグウォーマーを用いましょう。
お風呂はシャワーよりも湯船につかるようにしましょう。
緊張状態の身体をリラックスさせて、副交感神経を優位にすることが出来ますし、直接的にも体温を上げることにもつながり冷え予防になります。
また、良質な睡眠にもつながることが分かっています。
※2:石原結實(2020),体温を上げるとあなたは必ずやせる,マキノ出版
例えば、冬が旬の根菜の多くは身体を温めるとされていますし、南国育ちのバナナやマンゴーなども身体を冷やす食品になりますよ。